自業自得

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森本「りえ、風邪ひいたの?」 午前中の診察が始まり 先生についていた 看護師さんが患者さんと次の予約の話をするために診察室を出た隙にそう声をかけられた。 旅行から帰ってきてから前みたいに 先生と話すようになったのだ。 今日は森本先生ともう一人 腎臓内科専門のDrのふたりのデータ入力当番 (基本Drふたりにつき一人の事務員が担当していました) 『…今朝起きたら喉が痛かったので』 とマスク越しにモゴモゴと返事をした。 森本「今はどうなんだ? 薬処方してやろうか?」 今終わったばかりの患者さんの カルテをさらさらと書きながら聞いてくる。 真剣な横顔 先生ってやっぱり男らしいイケメンだな。 こりゃ先生のファンが多いわけだ… 森本「ほら、入力頼む… って、何 俺に見惚れているんだよ。 もしかして りえ 俺に惚れた?」 とニヤニヤ笑う。 あーぁ せっかくのイケメンでもこういうところは 残念だなぁ…… 「はいはい 、前から先生の事スキデスヨ~」 感情を込めずそういうと森本先生は 露骨に嫌な顔をした。 森本「可愛くないなぁ… 俺 将来的有望なんだぜ。 イケメンで医者 おまけに次男坊 かなりの優良物件だと思うんだけど…」 はいはい。 適当に先生の話を流してPCにデータを入力した。 午前中をのりきれば 午後からは半休をもらっている。土曜日が必ずしも休みではないので 規定で半日休みを月に2回必ず取るように決まっていた。 今日は早く帰って体を休めよう。 体がだるいし 顔は腫れてるし… お買い物は次の機会だな そう思ってため息をついた
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