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谷「崎山さん?崎山さんっ?!」
なぜか隣にいるのに先生の声が遠くに聞こえる。
息が上手く出来ない……
『やっ……嫌っ…………
私…汚い…………
知ら…………れたくな、い』
怖い……
目の前がチカチカする
谷「大丈夫ですよ。
大丈夫……」
どこかで先生の声が聞こえふわりと体が浮いたような気がした。
『やっ……
嫌われ、た……くな、、い」
温かい何かに包まれ トクトクトクと鼓動が聞こえる。
自分がどこか暗いところに落ちてしまいそうで
ぎゅうっとなにかを握りしめた。
谷「大丈夫、花恋は綺麗ですよ。
どこも汚れてません……」
何度も何度も頭を優しくなで トントンと背中を優しくなでられた。
谷「落ち着いて……大丈夫。
嫌いになったりなんてしませんよ……」
大丈夫……大丈夫……
繰り返し聞こえる言葉
いつまでそうしていたのか ホッと息をつき
私は意識を手放したーーーーーーーー
ふと意識が浮上して 眼を開けた。
視界いっぱいに紺色が広がり 寝起きの頭で
ぼぅっと見つめる。
温かい……
視線を少し下げれば私はその布を握りしめていた。
なにこれ……?
身動ぎしたとたん
谷「眼が覚めました?」
ビクッ
突然頭の上から谷先生の声が降ってきて驚いて飛び上がりそうになった。
私が握っていたのは谷先生のポロシャツの胸元で
なぜか先生の膝と膝の間にお尻を着けて
横向きになって抱き締められていた。
慌てて体を起こそうとするのに 先生は私の頭に置いた手に力を入れてその胸に押し付けた。
谷「あの時と一緒です」
?
あの時?
谷「6月の上旬位でしたか 崎山さんが倒れた時も僕の白衣をギュッと握って離さなかったんですよ」
え?
ー
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