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何が何だかわからない。
一旦頭を整理しよう。
まず私は、夕食を終えて、シャワーを浴びた。
その後、缶ビールを飲みながら星空を見ていた。
そしたら急に、空いっぱいに光が広がって……。
「え? まさか、宇宙人?」
私は、目の前でキョロキョロ部屋を眺めている、この美しい男に向かって叫んだ。
玄関先で座り込んでいられるのも迷惑なので、ひとまず部屋に入れたのだ。
かなり怪しかったけど。
私の問いかけにその男は、
「宇宙人? 俺が?」
逆に聞いてきた。それは、こっちが知りたい。
「名前は?」
「名前? ……わからない」
呟くと、男は黙り込んでしまった。
ひょっとして記憶喪失? 困ったな……。
とりあえず夜も遅いし、明日お店に連れて行って店主たちに相談しよう。
それにしても……。どうしよう……?
まさか外に放り出す訳にもいかないし……。
なんだか具合も悪そうだし……。
「あのさぁ、行くとこないなら、一晩泊めてあげてもいいけど、絶対変な気起こさないでね。それが条件」
「変な気って?」
男が首を傾げた。
とぼけているのか、それとも、私なんてそんな対象じゃないってことなのかわからないけど、なぜか不信感を抱かせないこの男の不思議なオーラに、私はどうしようもなく惹かれてしまった。
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