苦難と幸福は紙一重

28/28
123人が本棚に入れています
本棚に追加
/348ページ
――ヒューーーー……ドーン! 暗くなりかけた空に、最初の花火が開いた。 「綺麗……」 「いただき!」 花火に見惚れて油断した。 無防備の私の唇を、星夜が素早く奪ったのだ。 「もう! バカ星夜!」 「お前なぁ! いい加減にしろよ!」 聡史が星夜を羽交い締めにする。 美琴がお腹を抱えて笑う。 そんな私たちをまるで祝福するかのように、色とりどりの大輪の華が、夜空を明るく染めていた。
/348ページ

最初のコメントを投稿しよう!