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「ちょっと遠回りしていい?」
星夜が聞いた。
「いいよ」
「ありがとう」
柔らかく微笑むと、星夜は方向を変えた。
しばらく行くと、星夜がどこへ向かっているのかわかった。
角を曲がると、『引っ越しのシャイン』の看板が見えてきた。
星夜が入り口のドアの前に立った。
休業日の為、店内は薄暗く、人の気配はなかった。
星夜は店内をしばらくじっと見つめた後、
「お世話になりました」
深々と、頭を下げた。
背中が少し、震えていた……。
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