共に

16/27
前へ
/348ページ
次へ
「雫……」 星夜が真剣な面持ちで、私の肩に手を置いた。 「もし辛いなら、雫はここに残れ。俺は大丈夫だから」 瞳が潤んでいる。 「星夜……」 私は、その震える頬を、両手でそっと包み込んだ。 「言ったでしょ? 星夜がそばにいる生活こそが、私の幸せなの。だから心配しないで。私は幸せだよ。だって、これからずーっと死ぬまで、星夜と一緒にいられるんだもん」 星夜のダイヤモンドの瞳が、僅かに揺れた。 「そりゃあ不安もあるけど……。だけど、星夜言ってくれたじゃん。私を一生守り続けてくれるって。その言葉、信じてるから」 「雫……」 夕陽に彩られ、黄金色に輝く涙が、星夜の瞳から流れ落ちた。 「ずっとそばにいるよ。約束する……」 星夜が、私をきつく抱き締めた。 星夜のこぼした涙が、私の肩を濡らしていく。 「泣き虫」 「うっせー……」 星夜が、泣きながら、笑った。
/348ページ

最初のコメントを投稿しよう!

123人が本棚に入れています
本棚に追加