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「雫……」
星夜が真剣な面持ちで、私の肩に手を置いた。
「もし辛いなら、雫はここに残れ。俺は大丈夫だから」
瞳が潤んでいる。
「星夜……」
私は、その震える頬を、両手でそっと包み込んだ。
「言ったでしょ? 星夜がそばにいる生活こそが、私の幸せなの。だから心配しないで。私は幸せだよ。だって、これからずーっと死ぬまで、星夜と一緒にいられるんだもん」
星夜のダイヤモンドの瞳が、僅かに揺れた。
「そりゃあ不安もあるけど……。だけど、星夜言ってくれたじゃん。私を一生守り続けてくれるって。その言葉、信じてるから」
「雫……」
夕陽に彩られ、黄金色に輝く涙が、星夜の瞳から流れ落ちた。
「ずっとそばにいるよ。約束する……」
星夜が、私をきつく抱き締めた。
星夜のこぼした涙が、私の肩を濡らしていく。
「泣き虫」
「うっせー……」
星夜が、泣きながら、笑った。
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