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急な坂道を登りきると、懐かしい我が家が見えてきた。 久しぶりに見る我が家は、記憶の中と何も変わらず、優しく私たちを出迎えてくれていた。 「着いた……」 私は深呼吸をすると、星夜の手を握りしめた。 握り返す星夜の手にも、力がこもる。 「行こう」 顔を見合わせ、頷きあうと、二人で玄関のドアを開けた。 「ただいまぁ」 家の中は、シーンと静まり返っている。 「いないのー?」 おかしいなぁ。今日来るって、確かに言ったはずなのに……。 星夜と二人、首を傾げながら中に入った。 「ちょっとー。ほんとにいないのー?」 一つ一つ部屋を覗き、二人の姿を探していると、奥から話し声が聞こえてきた。
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