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「もういいから……。適当にして来てね……」
半ば呆れながら、私はドアを閉めた。
何だか、拍子抜けしてしまった。
「いいご両親だね」
星夜が、たった今閉めたばかりのドアを見つめ、「ちゃんと『息子』になりたかったな……」と、哀しく微笑んだ。
星夜の気持ちが痛いほど伝わってくる。
全部嘘ならいいのに。
エフトゥフも。
ハヤタも。
全て悪い夢だったらいいのに。
だって星夜は、こんなにも、『人間』なのに……。
私は星夜の腕に自分の腕を絡ませると、リビングへと向かった。
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