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光はみるみる大きくなり、物凄いスピードでこっちに近付いてくる。
「何? 何? 何なの?」
軽くパニックを起こしながら、私は慌てて窓を閉めた。
直後。
大きな光が、辺り一帯を呑み込んだ。
「キャー!!」
隕石でも落ちてきたのかと思い、私は両手で頭を抱えると急いでその場にうずくまった。
目も開けられない程の眩しい光は、しばらくすると少しずつ弱まり、それから小さくなり、そして、消えた。
「……何だったの?」
しばらく待ってみたが、物音ひとつ聞こえてこない。
私は、恐る恐る窓を開けてみた。
亀のように首だけを出し、右に左に眺めてみる。
目の前には、見慣れた家並みと、静かな道路が横たわっていた。規則的に並んだ街灯が、申し訳なさそうに黒ずんだ道路を所どころ照らしている。
特に変わった所はない。いつもの風景だ。
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