はじまり

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「どういうこと?」 今の現象が何だったのかを探るべく、私は頭をフル回転させた。 だが、一向にいい案が思い浮かばない。 「夢でも見ていた?」 もしかしたら、ビールに酔って一瞬寝たのかも知れない。 そんな結論に達した時……。 ――ピンポーン。 ドアチャイムが鳴った。 びっくりして時計を見る。 十時を過ぎている。 「誰だろう? こんな夜遅くに」 こんな時間に来る客なんて、私の知る限り誰もいないはず。 しばらく息を潜めて様子を伺った。 ――ピンポーン。 まただ。 ちょっと怖いけど仕方がない。とりあえず覗いてみよう。 怪しい人だったら、ドアを開けなければいいんだから。
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