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溢れる想い
次に聡史と会う頃までには、痣は跡形もなく消えていた。
助かった。
流石に見られる訳にはいかない。
きっと、どんな言い訳も通用しないだろう。
聡史の目は、誤魔化せない。
あの一件以来、星夜は私に距離を置くようになった。
たまに顔を合わせても、当たり障りのない会話をする程度だ。
きっと、あの朝の出来事に、深い意味などなかったのだ。
なんの変哲もない、ただの日常。
だけど……。
私の心の中にはずっと、星夜の印が焼き付いている。
誰にも知られてはならない、禁断の印が……。
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