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残酷な真実
帰宅すると、星夜は私を自分の部屋に誘った。
陽は少し傾きかけていた。
私は、戸惑いを隠せないまま、少しオレンジがかった光の差す、星夜の部屋へと向かった。
「座って」
星夜は私を座らせると、自分も対面に座った。
長い沈黙が続いた。
星夜のダイヤモンドのような瞳だけが輝いている。
一体、何が語られるのだろう?
なんだか、怖い……。
しばらくすると、星夜が静かに口を開いた。
「雫。今から俺が言うこと、驚かないで聞いてくれる?」
「大丈夫だよ。何聞いても驚かないから」
私は気持ちを落ち着かせるため、星夜の右手を握りしめた。
震えるその手に左手を重ね、星夜は私に向き直った。
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