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施設の厨房を借りて、給食事業の会社が運営している。
委託というやつだ。
本社は東京。
書類を送っただけで、私は行ったこともないし、所在地もうろ覚えだ。
まあ、それも業界ではよくある事。
・・・あら。
もう四時だわ。
独り言を言ってる場合じゃない。
朝食の支度があるので、朝は五時入りだ。
外はまだ暗い。
それもこの業界では当たり前。
自分一人分だけのおにぎりをむすんで、軽く身支度を整える。
束ねた髪を縁なし帽におしこみながら家を出た。
ちょうど配達に回ってきた新聞屋さんに会釈をして、車に乗り込む。
暫く立ち止まってから彼は軽く手を振るのだが、
私の家は新聞は取っていない。
この時間に私が出るのを知っていて、わざとやって来る。
ちょっと馴れ馴れしいかな。
こういうのって信用が無いと、不審に見られるって事に気が付いてないみたい。
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