話すタイミングをうかがってるのは分かってる

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ようやく朝食の支度が配膳コンテナに収まり、業務は入居者の世話をするヘルパーさん達に引き継がれた。 私たちは一通りの片づけを済ませると、後の洗浄業務を早朝パートさん二人に託す。 「お茶、入ったすよ」 赤君がマスクをずらして口の端をニン、と引いた笑い顔で告げる。 「青っち。アネさんの分のマグ持ってきて。お先、休憩室行ってます」 こくん、と青君は頷くだけの返事をして 「…行きましょうか」 五秒間私を見つめると、クルリと踵を返した。
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