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「…どう、されました?」
「え?」
普段は滅多に自分からは話かけて来ない青君が、心配そうに私の様子を伺っている。
「顔色があまり優れないようですね。普段は薄いピンクでとても健康そうなのに」
「ううん、何でもないの」
内心を見透かされたようで私は逆に赤面した。
「ああ、いつもどおりになられましたね。調子が悪いときは早めに伝達してください。我々男二人はちょっと鈍いですので…」
「青よう、そりゃねえべ。それにおまえいっつもどこ見てんの」
「そ、それはいや、安全面とか衛生面とかの観点から色々だって。決して変な意味じゃ…」
珍しくしどろもどろになる青君。
うた子さんはそんな様子をニヤニヤしながら眺めながら、ふうーんと、洩らすと、
「さて、夕食の仕込みに入るよ。切り替えな」
陽気な海賊船長のように告げた。
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