何度目の転職だろうか

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バックミラーに写る手振り屋さんはすぐに小さく見えなくなった。 代わりに自分の目元が写る。 ぱっちりとしていながら、切れ長の瞳。 すうっと整った鼻梁。 ミラーには写っていないが、その下には大きすぎず小さすぎない、ふっくらとした唇。 個人的評価だけど、顔のサイズも丁度良い筈。 控えめに見ても、美人の部類に入ると自分でも思う。 「親に感謝しなきゃね」 そう呟いたものの その親から受け継いだ、美貌以外のもう一つのものに、私の心は沈む。
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