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「はい」
青、と呼ばれた男性社員は青木君。
もう一人とは反対に落ち着いた返事。
ちなみに呼んだほうは浅井君。
だけど皆は赤、と呼んでいる。
アカイ、じゃなくてアサイですったら。
彼はいつもそう、こぼしてはいるが。
青君は落ち着いた態度ながら迅速に作業をする。
積まれたメラミン樹脂製の食器に食材を次々に盛り付けていく。
一定数溜まると食事配膳用のラックにお盆と共にセットした。
「あと20食、不足です。予備と検食分入れて25程でお願いします」
私の持ち場を向いてそう、告げた。
「了解」
私は返事をする。
青君はこちらをじっと見つめる。
五秒程だろう。
そして、ふぃっと向こうを向く。
いつもそう。
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