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久しぶりの焼き鳥は美味しくて、ジェイはすっかり堪能した。
「また来ます! ご馳走さまでした」
「待ってるよ!」
「また来るね」
「はいはい」
「……俺の扱い、酷くない?」
「そう?」
車に乗ると蓮はまた不機嫌な顔になっていた。
「どうしたの? なんか機嫌悪い」
「お前はおばちゃんににやけた顔見せるし、おばちゃんは俺よりお前を大事にするし」
ジェイは可笑しかった。やたら今日は蓮が拗ねる。
「蓮さ、おばちゃんとこにいつから来てるの?」
「入社した頃かな。大滝常務に連れて来られた」
「常務?」
「それで俺が病みつきになって結構通ったんだ。1週間ぶっ続けで行ったこともあったな。一度酔っぱらって、気がついたら奥の部屋で寝てたよ」
「そうなんだ」
「それから『蓮ちゃん』になった」
「俺、あの『ジェイちゃん』って苦手だよ」
「お前みたいな子どもにはちょうどいい」
ぷっと膨れたジェイに今度は蓮の笑い声が出る。おばちゃんの所に来て良かった。そう思った。
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