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土曜日のこと。自分の部屋を掃除しているところに二人の刑事が訪ねてきた。
「今、お時間いいですか?」
「はい。どうぞ中に」
(蓮がいてほしい……)
その言葉をすぐに打ち消した。自分でも対処しなければ。いつまで経っても頼ってしまう自分。
「実はですね、秋野芳樹なんですがやっと口を割りましてね。兄の高也と仲間の野村礼二の3人であなたをつけ回していたと」
「3人でですか?」
「ええ。ただ誰に頼まれたのかは自供してません」
「あの時、はっきり聞きました。『相田さんから頼まれてる』って。会社の後輩の石尾くんも聞いてます」
「ええ、分かってます。ただ、しらばっくれてましてね、そんなこと言ってないって。あ、大丈夫ですよ。ちゃんと自供させますから」
ジェイはホッとした。警察がちゃんと動いてくれている。
「じゃ、他の二人も捕まったんですね?」
「野村礼二は逮捕しました。秋野高也が行方不明で手配中です。今のところ居所について二人とも口を閉ざしていますが、近い内に見つかるでしょう。野村礼二はまだ21と若いし度胸も無いし、多分口を割ります。ただ周囲に気をつけてください。接触してくるかもしれませんから。何かあれば連絡をください」
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