458人が本棚に入れています
本棚に追加
/203ページ
蓮は吹き出した。
「そうか、野瀬は枯れてるのか。で、どうしてそれを聞いてすぐ意味が分かったんだ?」
「……聞いたから」
「聞いた?」
「『それってどういう意味ですか?』って……」
また吹き出す。
「なんて答えた?」
「……」
「言えよ、なんて答えたんだ、野瀬は」
「た……たたないって……」
声が小さいから聞き直した。
「だから! 女性を見ても勃たないんだって!」
「……で、お前は何か答えたのか?」
「『そうですか、大変ですね』って」
「バカ、なんて返事だよ!」
「怒られた、『マジな顔してそんな返事するな!』って。ゲンコツ落ちてきた」
(野瀬も可哀そうに)
そうは思っても、可笑しくてしょうがない。
「なんでまた頭撫で回すの!」
「いや、これはもう条件反射で」
手を振り払われる前にジェイの体を抱き締めた。
(たまんないな……これで抱くなって言われたって……)
最初のコメントを投稿しよう!