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「あ! 蓮、またエッチなこと考えてる顔してる! 俺、ホントにイヤだからね!」
昨日の二の舞になりそうだから蓮は言葉を控えた。
(良かった。昨日から記憶を辿る作業をしてるのに、その反動が出ていない)
「ジェイ。俺がエッチでごめんな。もうやめるよ。悪かった、そんなに嫌なのに抱いてしまって。深く反省する。1ヶ月、絶つよ。今夜から俺はソファに寝る」
ポカンとしているジェイを置いて寝室から枕と毛布を取ってきた。
「さ、お前もゆっくり寝ろ。疲れてるだろ? これなら安心して眠れるよな。もっと早くこうすれば良かったよ。お休み」
電気を消しに行こうとした後ろにジェイが飛びついてきた。
「ごめんなさい! 俺、文句ばっかり言って……一緒に寝て? お願い、蓮。したかったらしてもいいから。だから……」
「分かった。怒ってないんだな? ならベッドに行くよ」
「うん。ごめんね」
(あああ! 頭から食ってしまいたい!)
物騒なことを考えそうになって、ジェイをベッドに追い立てた。本当に今日はもう眠らせてやりたい。まだ最低二人の行動が分からない。ジェイも不安を抱えているはずだ。
電気を消してベッドの中で腕を伸ばした。その上にジェイの頭が乗ってくる。額にキスをした。
「おやすみ、ジェイ。何かあれば起こしていいからな」
「ありがとう……お休みなさい、蓮」
背中に回った手から力が抜けていくまで蓮は起きていた。
『れん……』
呟く寝言にまた頭を撫でた。
(明日はお前のために頑張ってくるよ)
しばらく蓮は眠れなかった。
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