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「いいよ、一人で行く」
「言ったろ、離れないって。お前を会社に送ってから裁判所に行く。いいから支度しろ」
公判だ。花も野瀬も真っ直ぐ裁判所に向かうだろう。始まるのは10時だが、その前に簡単な手続きがある。西崎にも最終確認と注意事項を聞いておかなければならない。
ジェイを会社の真ん前で下ろした。
「中に入るまで見てるから。終われば会社に戻る」
「うん……気をつけてね」
「俺の台詞だ」
蓮は笑った。中に入るのを見届けて車を出した。
(さあ、ジェイより先に戦争だ)
ジェイはひたすら仕事をした。時計を見たくない。花に言われたプレゼンの用意を石尾たちと進める。
翔はポイントを掴むのが上手かった。着眼点がいい。それをきちんと石尾が具体的な形にしていく。七生は仕事でははっきり物を言った。発想力があると思う。
(この三人、いいトリオになる!)
こんな気持ちを始めて味わう。後輩が形になって行くのを実感していく。
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