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慌てた。
彼女が言った言葉が何を意味するのかわかったからだ。
急いで駆けつけた。
普段は施錠され誰も開けられないはずの部屋が、外からなら簡単に開けられる状態だった。
この向こうは天井窓のついた小さな庭だ。
天井窓は外から金網で留められ、中から簡単には壊れない。
他にはドアも出口も何もない。
それが何を意味する部屋なのか。
庭と言えば聞こえはいいが、我々には地獄部屋。また、拷問部屋。
そこに入る、それは死を意味する。
ドアを開けた。
日陰を求めて端へ身を寄せたエルザがいた。
「エルザ…」
私の言葉と共に灰になった彼女は崩れながら舞い上がった。
それは処刑。
美雨は私に無断でエルザを処刑したのだ。
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