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「ボス、戻りました。」
「その呼び名はやめろと言ったであろう。」
ロジェと呼ぶには生意気だと感じてもやめないけど。
すると、いつもため息混じりにやめろと言う。
でも、俺にとって師匠と言える存在なのだからやめろと言われてもやめない。
彼に世話になるようになり、生活も心も安定した。
隠れておこぼれにありつく生活は心が荒む。
同胞とは言いたくない同胞達は、心が荒み奪い合いが起こると誰かが犠牲になる。
そんな環境で俺の心も限界だった。
だから、彼との出会いは俺をまともな世界へと誘った。
彼は美雨とは違い理性の塊だ。
決して人の世界を犯さない。
そして、必要最低限しか狩らない。
だから、時々恐ろしいほどの眼光に腰が抜けそうになる。
それでも彼は理性を失わず、誰も犯さない。
いつも俺の存在を認めてくれる。
だからこそ、自分と違っていても彼を尊敬する。どんなことがあっても師匠だ。
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