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この姿になって、特をしたことなど一度もなかった。
両親の死を受け入れられず、何かにすがる思いですがり続けた世界は、今の俺にはどうでもいい世界になった。
群れをなし年長者に従う、その当たり前の事が俺には窮屈だったからだ。
独りで何ができる、確かにそうだ。
でも、少なからず、俺には合わなかったんだ。
縄張りを侵すものを許さず傷つけ、隙あらば他の縄張りさえ奪う。
うんざりする連中だった。
今の俺は、元々人だった。
だから生きていられる。
例え永遠に独りだとしても、生きていくには困らない。
それが俺の選んだ生き方だ。
この黒い大きな羽が役に立つことなんてあるのかと自問自答したこともある。
考えても仕方のない現実に嫌気も指す。
でも、出会ったんだ。
守るべき人に。
俺は必ず麗奈を守る。
どんな手を使っても。
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