悲しみのノクターン

3/13

17人が本棚に入れています
本棚に追加
/155ページ
「麗志、しつこいわ!」 「美雨、お願いだ。諦めるんだ。 これ以上、こんなことを続けたら、君まで失ってしまう。」 「何を言っているの? 諦めるのはロジェだわ。 私には麗奈が必要なの。 わかるでしょ? あなたが私を必要とした時と同じよ!」 「このままそんなことを続けたら、麗奈が死んでしまう! 君のしていることは、ルールに反することぐらいわかるだろ? 麗奈は望んでいない! 僕らと共に歩むことを望んでいないんだ!」 この頃、美雨は精神を麗奈に集中させていた。 何をするつもりかは察しがつく。 麗奈を手に入れるためだとは言え、モラルに反する。 じわじわと麗奈の頭がやられていく。 あとどれくらいかすると、頭痛が薬でも抑えられなくなる。 頭が割れるように痛み、藁にもすがる思いで美雨にすがるか、自ら命を絶とうとするか、それとも、救世主が現れるか。 私ではどうにもならなくなってしまった今、私にできることは美雨の全てを奪うことしかなくなった。
/155ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加