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「麗史よ、もう時間がない。
麗奈を救うには、お前の決断が必要だ。」
「わかっています。」
剣斗は、麗奈を送り届けたあと、美雨と接触。
羽が折れ、動けぬ状態で身を潜めている。
生か死か、その選択肢に彼は今の姿のまま生きることを選んだのだ。
死にはしない。
ただ、仲間のいない剣斗にとって傷が癒えるのには時間がかかる。
我々が彼にできることは何もなかった。
同じ仲間であればできることはいくらでもあるが、黒羽の彼にしてやれることは我々には何もなかったのだ。
もし仮に彼が人であれば、違った選択肢になったであろう。
ルール犯すことができたとすれば、彼の傷が癒えるのも早かろう。
しかし、保証がない。
我々に理性を保てるかどうか、何の保証もないのだ。
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