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「麗奈、大丈夫か?」
彼女の顔は真っ青になっていた。
日に日に顔色が悪くなり、この数日、食事もまともに摂れないでいた。
額にはいつも冷や汗が溜まり、呼吸も小さくなりつつある。
このままでは死んでしまうのに、成す術もなかった。
まだ青二才の俺には何の能力もないのと同じ。
彼女の心を少し読むことができても、助けることはできない。
美雨を裏切った俺もいつ手にかけられるかもわからない。
こんな俺なんていてもいなくても同じなのに、麗奈はいつも優しかった。
「気にしないで。大丈夫。」
麗奈の口癖だ。
その口癖も昨日から聞いてない。
目を覚まさない。
本当にどうにかなってしまう。
ボスが麗志に会うと言った。
本当に麗奈を助けることができるのか、もう誰にもわからなかった。
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