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「美雨、起きないのか?」
険しい顔のまま美雨は動きもしなかった。
「そんなに麗奈を手に入れたい?
私が永遠に、傍にいるのに?」
何も答えない美雨が憎らしかった。
なぜ、私の問いかけに答えないのか。
見ればわかる。
また、眠る前に狩ったのだ。
狩れば1ヵ月は口にしなくても力を得られる。
人を狩る行為は重罪であっても、現実には今の我々にとって、未知の力を得られるのは確かなことだった。
その青白く透き通る肌は、不気味さを増しているのに。
私も昔、同じように青白く不気味だと言われた時代があった。
しかし、今はそんな時代ではない。
もう終わりにしよう。
これ以上、あの子を苦しめてはいけない。
美雨、これが私の永遠の愛だ。
そっと彼女を抱き上げた。
抱き上げても尚、起きることのない彼女から漂う香りに私まで理性を失いそうだった。
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