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ひっそりと静まり返る室内、まもなく日が落ちる。
しかし、美雨は目を覚まさなかった。
ここにいる彼女は、険しい顔で嘗ての優しさで溢れた彼女とは思えない。
麗奈に何かしているのだろう。
そこまでして、なぜ麗奈に拘るのか。
我々と仲間になるにはまだ幼い子供のような子なのに、なぜ麗奈なのか。
確かに、麗奈は弱く、私に似た感覚を持ち合わせている。
名前も私と同じ麗の字を使う。
妹?それとも娘?
そんなに彼女が欲しいのか。
家族になりたい?
家族か…
若くして命を終えた美雨。
子供を授かることができなかった後悔?
それとも、本当に家族になれると思ったから?
いったい、何を求めているんだ?
私だけでは補えない、途方もない気持ちがあると言うのか?
何もわからなくなった。
君は、私だけでは満足できないというのか?
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