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傷を負った麗奈。
どんなに痛かったかと頬を撫でた。
温かい。
人に戻れるなら戻りたいと、この時、初めて思った。
でも、私には戻れる猶予なんてなかった。
幾ばくもない命は消えかかっていたのだから。
私が、何をしたと言うの?
ただ、ただ、今を生きていただけなのに。
でも、麗史は教えてくれた。
愛と永遠を。
これまでに出会った少女のような娘達は面白くなかった。
死にたい、死なせて、お願い
どこからか私のことを見つけ出したのか、私の名前すら知っていた。
この世の中は、隠し事なんてできないのね。
頭の悪そうな男達は、夜な夜な私を厭らしい目で見ていた。
私が人ではないとも知らずに。
パートナーである麗史とは比べられないほど、お粗末な男達。
麗史は最高のパートナー。
麗史は美しい。
あの透き通った瞳も、白い肌も、整った顔も姿も全て。
どうして、今の男達はお粗末なの?
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