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美雨の頬に初めて触れた日、人として生きた最後の日を思い出した。
儚い私の恋心は、許されざる想いだった。
私に選択する権利などなかったからだ。
もちろん、ロジェは素晴らしい人だ。
でも、当時は人より勝ることの方が有利な世の中だった。
今とは逆の世界。
強き者が支配者になり、弱気者には死しかない世界。
そんな世界は私には苦痛であった。
時が流れ誰とも群がらず、1人でいることにも慣れた頃、私は出会ってしまった。
美雨に。
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