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土の香りが鼻を突く。
古びたこの屋敷が間もなく朽ちるだろう。
私達の終わりと共に、崩れ堕ちるだろう。
許してくれ、もう耐えられないんだ。
君がこれ以上、魔物になることを見届けられないんだ。
美雨よ…
頬を何かが伝う。
拭った手に付くのは、蒼い血だ。
人ではない自分が憎らしい。
私もあの死神に見つけられてしまったのか?
憎らしい。
自分が、憎らしくてならない。
君を置いていけるなら、すぐにでも消えてしまいたい。
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