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痛い。
息ができないくらい、喉が灼けるようだった。
出せる力を振り絞り、目を開けると戸惑うロジェが私を見ていた。
「すまない。私達のせいで、君をこんなにしてしまうなんて…
すまない…、すまない…」
見つめれば、ロジェの見透かす瞳が物語っていた。
私も選べばいいって。
永遠に彼らと共に歩む道を。
でも、言わないのはロジェが優しいからだ。
永遠になったとて、そこには虚しさ以外に何もない。
死にゆく方が幸せだと知っているからだ。
永遠は心を闇へと引き渡すこと。
永遠の命と引き換えに、心を売り渡すこと。
永遠に生きても、何の意味もないということなのだから。
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