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「麗奈、住むところは、ロジェと麗史が用意してくれてる。
でも、ごめん。なんて言えばいいか…
俺は何もしてやれない。掟は破れない。
ただ、いつでも守ってやる。
どんなときも、守ってやる。
これを、持っていて…」
渡されたのは、以前に貰ったものと同じものだったけど、以前より小さいのに、とても輝いて不思議な薫りがするようだった。
「忘れないで、俺はどこにいても守ってやる。」
窓が突然空いて、強い風でカーテンが舞い上がった。
いないのはわかっていた。
静まり返ったこの部屋に残されたのは私だけ。
一緒にはいられない、そう、私は人だから。
後悔は、ないとは言い切れない。
でも、私は後悔しない。
それは、二人とロジェ、剣斗のことは関係なく、私が決めたことだから。
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