別れのワルツ

12/12

17人が本棚に入れています
本棚に追加
/155ページ
この先、つらいことがあったとき、このことを思い出すことがあるだろう。 きっと、みんなの優しさを思い出して涙が出るかもしれない。 その時、思うはず。 全ては私と言う存在を作り上げるために必要だったことだと。 二人の優しさも、ロジェの慈悲深い心も、剣斗の勇気も、私の胸に刻む。 死にたかった私はいない。 この先、死んだりなんてしない。 例え、つらく苦しくても生きていく。 彼らに恥じることのないように。 カーテンがひらりと爽やかな風を呼んだ。 そこには、小さな蒼い鳥がいた。 驚いて立ち上がり気づけば、空には大きな虹がかかっていた。 「Jesus!」 蒼い鳥はいない。 でも、この虹は私にこの先へ向かう道標のように思えてならなかった。 大切な人達は私の心に…
/155ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加