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いつもなら美雨さんが助けてくれるのに、どうやら美雨さんは出かけていていないようだ。
美雨さん付きのお手伝いさんが、麗志の横で泣きそうな顔であたふたしている。
「麗奈、どうして私の前だと何も話さないのだ。
私はお前を愛している。
美雨と同じように愛しているんだ。」
彼の冷たい手は、私の手をきつく握った。
痛くて振り払いたいのに、すごい力で何もできない。
麗志が苦手だ。
不器用な人だとはわかっている。
でも、怖いのだ。彼から伝わるオーラは虫すら寄せ付けない。
私の考えることなど何もかも見透かしているくせに、心を読まずにいつも苛立っている。
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