悲愴のセレナード

9/30
前へ
/155ページ
次へ
「ごめん。つまんない部屋で。」 「そんなことない。大丈夫。」 身の置き場がなくて、ベッドに腰かけた。 明るくて日の射す部屋は、屋敷とは大違いだった。 あの屋敷は、ほとんどカーテンがしてあり、私が一人でいるとき以外は締め切ってあった。 もちろん、美雨さんや麗志が私に用がある時は、決まってカーテンを締める。 しっかりした遮光カーテンは、全ての光を遮っていた。 こんなにも心がほっとするのは、太陽の光がいかに私達にとって必要かということの現れだ。 やっぱり、人でいたい。 二人とは離れたいわけではない。 なら、どうすればいいのか…
/155ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加