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「今はとりあえず手出しはしないはずだ。
麗奈がいなくなれば、美雨が悲しむからね。
ただ、見つかるのも時間の問題だ。
麗奈、逃げる用意をしよう。」
手をしっかりと握り、冗談ではなく本気だと言うことがひしひしと伝わった。
でも、突然、何かが私を支配する感覚に囚われた。
言葉を発したいのに声も出ず、操られる感覚に陥った。
「麗奈、どうした?」
ダメだ。声が出ない。どうして?
「疲れた?」
「麗奈を返しなさい。」
何かに操られるように言葉が出た。
「お前のことは既に把握している。
死にたくなければ、麗奈を返しなさい。」
「何言ってんだよ?」
自分の意思とは関係ない。
怖かった。
麗志ではない。美雨さんだ。
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