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「まだ、わからないのね。
これ以上、失望させないで。」
力強く握られた手首の骨が軋むと同時に激しい痛みに教われた。
涙が止まらず流れるのを見ても美雨さんの表情は変わらず、むしろ、痛みをこらえる私を見て笑っているように思えた。
「あなたは本当に躾がいがあるわね。
何なら今すぐにでもいいのよ?」
怖さしかなかった。
もう私の知る美雨さんではない。
あの優しい美雨さんはどこへ行ってしまったのだろう。
「麗奈には相応しい男が必要ね。
待っていて。あなた好みの子を探してくるわね。」
私は誰でもいいなどと思っていない。
今はただ、剣斗の優しさが救いなのに…
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