17人が本棚に入れています
本棚に追加
囚われの生活で光を失い、時間さえもわからない私にとって、食事が運ばれることが唯一の時間を知るチャンスだった。
朝食は朝七時、昼食は正午、夕食は夜七時。
ご丁寧に、午後三時には紅茶と甘いものが運ばれてくる。
それ以外にできることは、数日に一度運ばれる本を読むことだけだ。
次第に気力が失われるようになった頃、ようやく、美雨さんが現れた。
「麗奈、聞いて。
あなたにぴったりの男の子を見つけたわ。」
まるで輝いているような明るい顔だ。
声が弾み、踊りだしそうなほど。
最初のコメントを投稿しよう!