悲愴のセレナード

25/30
前へ
/155ページ
次へ
今なら逃げられる。 回りを見渡せば、遊んでいる親子以外は誰もいない。 ここがどこだかわからないし、お金もない。 でも、今しかない。 心臓が有り得ないほど鳴り出した。 逃げたっていずれ捕まるのはわかっている。 それでも、どうしても会いたかった、剣斗に。 でも、数秒後、その希望は砕かれた。 「逃げないで。今逃げたら意味がないよ。 とりあえず、ほら、飲みなよ。」 渡されたのは炭酸飲料だった。
/155ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加