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「私も年を取った。」
ロジェの口癖だ。
「私は既に数百年こうしている。
大切な友も失った。
あれには苦労をかけたのに、あんな最後にさせてしまったと後悔している。
お前も、悔いのないようにすることだ。
その黒羽も時には役に立とう。
恥じるでない。
お前を必要とする者が現れよう。」
俺はそれ以来、共にいる。
「なぜ我々が存在するのか」と疑問に思っても答えなどないと常に言った。
また、麗志は私の生きていた頃によく似ていて、与えたあとの彼の苦悩こそが今の我々の姿だと。
「剣斗よ、その苦悩こそが必要な感情だ。焦らず空を見よ。お前は必ず報われる。約束しよう。」
師匠だ。俺が生きていくための、師匠だ。
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