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二人のことは、私がよくわかっているつもりだった。
でも、それは以前の話で今は当てはまらない。
私の能力は既に限界で、今以上に美雨を抑圧することなどできないからだ。
確かに、現状は何とかなっている。しかし、エルザがいない今、無駄な努力だ。
あの日、私が眠らなければ、例え眠っても結界を張ることぐらいできていたならば、エルザを守れたかもしれないのに。
眠りから覚めたとき、目の前に美雨がいた。
「エルザ、酷いのよ。
私を怒らせて何が楽しいのかしら。心配しないで、私がいればエルザがいなくても大丈夫よ。」
そう言うと笑顔を見せ、私の目を見た。
でも、その目は笑っていなかった。
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