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薄暗い霧の中を一人の男が歩いて来る。男は中肉中背で50歳ぐらいの白髪交で黒のスーツに身を固め、一般的なおじさんと呼ぶのがちょうどいいだろう。
「あの、隣に座ってもいいですか?」
男が尋ねてきたので承諾した。
「いやね、ずいぶん歩いてここまで来たことはわかるんだがね、どこまで行けばいいか分からないまま歩いているところにこのバス停がみえて、歩くのに疲れてどうしてもここに座りたくなってしまった」
男は磨り減った靴底を気にしながら言った。
僕は尋ねた。
男は遠くを眺めながら話始めた。
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