カレイとヒラメ

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息子といつまでも塾に邪魔してるわけにもいかず、室内遊園やらウロウロしてたら夕方、 意を決して帰ったら家の前に救急車! 「どないした?!」 慌てて中へ入るなり、 「お義母さんが階段から落ちたの!  携帯持って行かなかったでしょ!」 ポケットを探る、ない、忘れてる・・・ 救急車の中ではオカンが頭やら打ってないか隊員さんが調べてくれたり、受け入れ病院を探してくれたり。家の中では近所のおばちゃん達が嫁と病院へ行く準備、俺と息子はただボケッとするばかり・・・。 「受け入れ病院決まりました!」 「はい!ではお願いします!」 嫁は手際よくカバンを持って救急車へ 「後で電話するから待機しとき!」 俺に命令してから、オカンのサンダルをポーンと威勢よく家の中へ投げ入れて去って行った・・・。 「大丈夫か?お隣さんが教えてくれて  ちょっときてみたんや」 塾長が後ろにいた。 「ありがとうございます、  大したことは無さそうです」 「なかなか威勢のエエ嫁さんやな」 投げ込まれたサンダルを見て塾長は微笑んだ。 「似た者同士はやからぶつかり合う、  でも十年これたのも似た者同士やからや。」 「・・・そんなもんですか・・・」 オカンのサンダルを揃えてる息子を見ながら、 (待機しとき、しとき・・・なあ) とっさに出た嫁の初めての大阪弁。オカンにソックリでちょっと笑うてしもた。
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