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その頃、カナンにいたイスラエルは 息子たちに、エジプトへ穀物を買い物に行くように 命じる。 息子たちは、ヨセフのことで顔を見合わせたが、 仕方なくエジプトへ出向いた。 エジプトで穀物を売っていたのは、権力者のヨセフ。穀物を買いに来た兄たちのことを見抜き 過去の(わだかま)りもあって “この国に入ったスパイだ”、とか言って 三日間勾留してみたり 次に来た時は、家の者に、兄たちを食事に招かせ 兄たちの持ち物に銀食器などの家財を仕込み 盗みの嫌疑を掛けたりもする。 けど、ようやく兄弟たちに “私は あなたたちが売ったヨセフだ” と打ち明け 『カナンはひどい飢饉に見舞われる。 皆でエジプトに入るよう』と言い 父のイスラエルも含む兄弟たちもエジプトに入り 備蓄のあるエジプトで、飢饉を凌いだ。 こうして、カナンのイスラエル人は エジプトに居留(きょりゅう)して暮らすことになった。 その後、イスラエル人は多産だったので ヨセフの家族は70人と、あっという間に増えた。 時代が移り、ヨセフの代の人間は全て死に ヨセフのことを知らない代の王... パロになった。 そのパロは、民が反乱など起こさないよう 過酷な労働を課して管理しようとした。
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