里親

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ヤバい! 可愛い過ぎる! 地域雑誌に掲載された『里親募集』に、真っ白な仔猫が首を傾げた写真。 捨てられていた仔猫を保護したが飼えない為、里親を捜していると書いてあった。 絶対に欲しい! 記載された電話番号へ速攻でかけた。 「他にも候補の方が大勢いまして……。 折り返し、また連絡します」 そりゃそうだ。 こんなに可愛い真っ白な仔猫だもん。 私は毎日2、3回電話をかけた。 ひつこい位に……。 そうしたら、里親を捜していた人は電話口で折れた。 「分かりました。 貴女へ譲りますね」 「本当ですか?! 有り難う御座います!すいません。毎日、何回も……。どうしても欲しくて」 「いやね。 この子も、きっと貴女の所へ行きたいのかと思ったんですよ」 「どうしてですか?」 「他の候補の方に連絡しようと思い受話器を取る寸前に、必ず貴女から電話があったので……」 これ、ミステリー? そして私は、その仔猫の里親になった。 雪の様に真っ白で愛くるしい顔。 大切に育てた。 大人になった愛猫は個性的な顔になった。 輪郭が出てきて、骨格がハッキリして来て顔が変わった。 角度を変えて見ると昔、一時流行った『人面』にしている様な……? ミステリー!! 仔猫の時は、もっと可愛い顔だったのに……。 それでも愛猫。親バカな私は『うちの子が1番、可愛い!』 変わらず、大切に育てた。
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