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ずっと、ずっと待っている。
あなたのその眼差しや、あなたの愛情がいつか私に向けられる日が来ることを。
この世には白か黒しかないと言われたあの日…
もしもなんて世界はない…
だから、グレーは?と聞く私は弾き出された。
グレーのない世界でグレーを探そうとする私を見るあなたの目は、いつだって呆れてた。
ただただ話を聞いて欲しかっただけ…
私も会話に入れて欲しかっただけ…
嘘でも良いから…
一度でいいから…
あなたのことが1番大切よって言って欲しかった。
私はずっとなりたかった。
あなたのその眼差しや、あなたの愛情を一身に受ける彼のように。
私を見る顔はいつだって険しくて、目を閉じて思い出す顔はやっぱり険しい顔をしてる。
彼のことは生まれた時から無条件に愛せるの…
そう笑顔で私に微笑んだ。
なんとなくの思いつきで…
私が発した言葉の数々は、刃となって戻ってきて…
また受け止めてもらうことは出来なかった悲しみで
、これ以上刃に苦しまぬよう言葉選びに慎重になった。
私は覚悟もできていた。
あなたのその眼差しや、あなたの愛情を受けられるなら、あなたの敷いたレールの上を歩くことなど容易いことだと。
向けられないとわかっていながら、あなたの敷いたレールの上からはみ出さぬように慎重に歩いてきた。
少しでもはみ出ようものなら、あなただけでなく周囲も皆敵になる…
それを私は知ってたから。
だけど守るものができた今…
私に必要なのはあなたじゃない。
私はずっと待っていた。
あなたの眼差しや、あなたの愛情が私にも向けられることを…
待っていたから気付いてしまった。
それは永遠に来ないということを。
待つのはやめた。
私の新しい大切な人が、私のように、
私の優しい眼差しと、私からの愛情を求めて手を伸ばしてくれたから。
私が本当に待っていたのは、
あなたじゃないと気づいたの。
あなたという暗闇の中で、
歩き続ける私のことを、
救い出してくれる一寸の光を…
私はずっと待っていたんだ。
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