第九話 白き闇、黒き光 後編 ( 2 )

1/1
前へ
/24ページ
次へ

第九話 白き闇、黒き光 後編 ( 2 )

  集落から少し離れた所には石を積み上げて作られている小さな祭壇があった。  昔から、地元のニトラアイン達が自身の魔力を高めたり、狩りに必要な技術を身に着けたりと……何かと修行をする為使っていた特殊な場所に、スピカは一人小刀を模した木の枝を振るって武芸の訓練に励んでいた。  元々隠れた特殊な力場として存在するこの場所は、近隣の魔力を吸収するかなり特殊な場所で、多少の魔法や特別な力を振るった所で外部に漏れ出る事は殆ど無い。特に……魔力を頼りにする者達にとっては鬼門とも言える場所だ。 「ふう……今日は、こんなモンか――」  スピカは、先程まで振るっていた木の枝を収め、汗を拭っていると……慌てた様子で駆けつけて来るサビ猫のサビーの姿が目に入った。  「……!? 師匠?」  普段眠そうな目をして集落を徘徊するくたびれた姿からは想像出来ないくらいに慌てた様子に、スピカも只事ではない事を察知した。  ドドド……と、年甲斐もなく全力疾走する老猫は、背中に乗る小さな子ネズミを道連れに、スピカの前に着くなりゼエゼエと息を切らしてへたり込んだ。 「師匠、そんなに慌ててどうしたの? 何か、困った事でもあったのかい?」 「どうもこうも無いよ! また、出たんだよ……アイツらが!!」  スピカはまたかと、腕を組んでうーむ……と唸り出した。  スピカがこの集落に来て以来、祖母のサクラベルやサビ猫のサビ―の手ほどきもあって、拙いながらも多少の魔法が使えるようになった。が、如何せん、小道具と呪文の詠唱を伴う魔法が個人的にあまり好きにはなれなかった。  何かと不思議な事が起こせる魔法や、人以外の動物や置物などが喋るなど、コモン達のいる世界ではなかなか経験出来ない出来事をココでは経験出来た。しかし、逆を言えば……少し不可思議で理解が出来ない出来事に対して、全て『魔法』という便利なフレーズで無理にでも片付けてしまうニトラアインの集落の人々を目の当たりにして、結局……人間って、生きる術が違っても、やってる事はあまり代わり映えが無いんだな……と、スピカは幼いながら、人の本質を理解してしまったのであった。  そんな中、普段自分達が慣れ親しんだ魔法とは少し違う、何やら怪しげで悪意にも似た禍々しい力を最近は感じるようになってきた。  それ以来、暇を見つけては体を鍛える為の剣の修行を家族や集落の人々に隠れてこっそりとコツコツと勤しむ日々を送っているのであった。全ては……自分の家族を、自分自身の力で守る為に。 「決まって、僕が家に居ない時に限って来るんだよね。何故か……」 「集落では、アンタが影でコソコソと悪い事をしてるんじゃないかって変な噂が出て来てるんだ。ココでちゃんと身の潔白を証明しないと……家族揃ってココで生活が出来なくなるかも知れないんだよ!」 「けど、僕が駆けつける頃にはいつも彼奴らは居なくなってるんだよ。どうやったら、この件を解決出来るって言うんだよ?」  うーん……と、スピカとサビーが次に続く言葉を探していると……それ、何かの作戦なのかもよ? と、サビ―の背中に乗っていたリリーベルが言葉を発した。サビ猫の背中に乗る珍客に気付き、スピカは訝しみながら子ネズミに聞き返した。 「それ、どういう事だい? ネズミさん」 「だってさぁ……やっぱり、不自然でしょう? コレ――」  リリーベルは、以前自警団に入ってすぐに受けた戦術の訓練でのレクチャーを思い出しながら二人に語り始めた。  作戦遂行時において、集落のような閉鎖的な空間に生息する集団を攻撃、攻略をする場合……まず、いくら数的有利な状況においても、そのまま攻撃するのは得策ではない。勝つだけが目的なのであればそれでも良いのだが、何かを奪取したり占領を目的とするのであれば……まず、相手の正確な情報を出来るだけ収集。スパイ工作や流言飛語などを駆使して応援や援護が出来ないように無力化し、相手方の内部崩壊を目指す。相手が一枚岩の対応が出来なくなった時に始めてアクションを開始するんだ。そうやって、なるべく被害を最小限にして安全に効率よく戦い……そして、勝つんだ!……と、エルダヤンに教えてもらった事をベースに、今回の件についてリリーベルは考えを順序だてて述べていった。  結局は……周辺から協力を受けられないように孤立をさせ、混乱を誘い、まともに戦えなくなったのを見極めた上で……一気に叩く。これが……徐々に相手の力を削いで安全に戦う術だと言う事をスピカ達は理解したようだった。  ケンカ大好き騎士道精神まっしぐらな青春ダメ人間達には、到底理解の範疇を越えてしまっている話だが、生き残る為に戦う事が前提の兵法としては、至極全うな理論である事には間違いはなかった。それを思うと……隊長のエルダヤンってオジサンは、酒と猫をこよなく愛する只のダメ人間じゃなかったんだなと、リリーベルは改めて感心するのであった。と同時に、自分が段々とコモン達の世界に馴染んで来てるなと、ちょっとした自己嫌悪に落ちそうにもなる。 「まどろっこしいねぇ。で……結局、何が言いたいんだい?」 「今回の件は、どう考えたって悪い大人の知恵が入っているのは明らかだからね。だったら……それを使わない手はないんじゃないかって思った迄ですよ」 「使うって、どうやってさ?」  再び怪訝そうな面持ちをするスピカに、リリーベルはフフフ……と、ニヤつきながら懐から小さなメダルを取り出し見せた。  一方その頃、スピカの家の前では――完全に狼達に包囲されていた。  ニトラアインの里で腕利きとされるアルナス達有志が屋根の上から弓や魔法で応戦するも、効果らしい効果が見て取れなかった。 「クソッ! あんなにちょこまかと動き回られると、矢が当たらん!!」 「炎の魔法を喰らっても、ピンピンしてやがる……一体、何者なんだ? アイツらは……」 大した手応えが無く交戦している内に、一人また一人と男達は家の下から飛び掛かって来る狼達の牙の前に無念を訴えながら倒れてゆく。邪悪な魔法の力の前では、森の住人達の無力さを感じずにはいられなかった。 「ば……化け物め……」  自慢の弓を振るい得体の知れない化け物相手に善戦を演じるアルナス。次々倒れる同胞達を顧みて、ちょっとした悲壮感が脳裏に微かに過り始めたころ……猛烈なブリザードを纏い、黒ずくめの老人がゆっくりと森の外れから姿を表した。  老人の歩む後には、草花が猛烈な速さで凍り付き息の根が止まってゆく。仲間達を苦しめ続けた狼達が、老人の登場によって大急ぎで老人の元へ集う……この姿を目の当たりにしたアルナスは、この老人が厄災の元凶だと悟った。 「いよいよ、悪の首領のお出ましって所ですか……」 「フフフ、悪の首領か……ソレ、悪くないわね」  自宅の屋根の上で矢を放っていたものの、矢が尽き果てたアルナス。 「さーて……どうしたものか――」  得物を短剣に持ち替えたアルナスは、グッと固唾を飲み込んだ。 「母様、駄目よ! じっとしてて!!」  家の中では、まだ乳飲み子のカンナベルを抱え、そわそわしながら落ち着き無く歩き回る母・マリーベル。夫アルナスの身を案じながらも子供と一緒に物置に身を隠していたが、突然吹雪始めた外と、夫のいない現状に言い得ない不安が一向に収まらない。不安のあまりフラフラと窓際へ向かおうとしている所を上の娘・ローゼンベルに引き留められていた。 「あの人が居なくなったりでもしたら……私、これからどうやって生きて行けば……」 「きっと、すぐに父様が悪い奴らをやっつけて助けてくれるわ。だから、だから……今は、信じて待っていましょう。母様」  「アルナスに続いて、あの子も居なくなったら……私、私――」  わあっと泣き崩れるマリーベル。この姿を見て、必死で母を奮い立たせようと利発的に振る舞っていた幼子も、やがて我慢の限界を迎え……私だって、私だって……と、目に涙を溜め頼りない母にすがる。 「兄様……兄様――」  ローゼンベルが母の裾元に顔を埋めメソメソと泣き出すと……突如、屋根が抜けてドサッと何かが落ちてきた。   抜けた穴からブリザードが吹き込む中、えっ? 何?……と、親子達が恐る恐る落ちてきた何かに目を配ると……全身傷だらけで、しかも所々凍傷の跡が見られる父・アルナスの姿であった。  息も絶え絶えのその姿を見て、マリーベルはこの世の終わりを告げるかの如く叫び取り乱す。 「ココは、もう駄目だ……早く、逃げて――」  家族に危機を伝えようと、言う事を聞かない体に鞭打って這いつくばりマリーベルの元に行こうとするアルナス。が、肝心のマリーベルが一向に落ち着きを取り戻す気配が無く、とうとう絶望に負けてその場にへたりこんでしまった。 「母様……母様!――」  母を起こそうと、必死で呼びかけるローゼンベル。母に呼びかけるその声が掠れ始める頃――黒ずくめの老人が、玄関辺りをバンと派手に吹き飛ばして入って来た。  更に強くなるブリザード。ローゼンベルは堪らず俯く。 「見ーつけた。ココだったのね……」  老人は不敵に笑う。この光景に――とうとう絶望に負け、黒ずくめの老人に膝を折るローゼンベル。父が倒れ、母が泣き崩れる姿に、最早眼前の老人に抗う事は出来なかった。 「父様……母様……」  絶望に打ちひしがれ、意識が遠のき倒れるローゼンベルに目もくれず、黒ずくめの老人はマリーベルの前に歩みを進めた。 「随分と探したわよぉ……まさか、こんな地図にも出て来ない田舎に隠れていたなんてねぇ。本当、小賢しいわぁ」  老人の心無い言葉に、マリーベルの涙が頬を伝う。 「どうして……どうして、こんな酷い事をするの!? 私達は……ただ、静かに暮らしたいだけなのに――」 「だったら……私に今すぐ食われてしまえば良いんじゃない? 負け犬のような惨めな人生と、すぐにでもオサラバ出来ちゃうわよぉ」  黒ずくめの老人は、黒い外套の中から次々と木の根のような触手を張り出した。と同時に、老人の腹辺りから、大きな口がガバッと牙を剥き迫り出してきた。まるで……食虫植物のハエトリグサを彷彿とさせるように。 「良いでしょ? コレなら、ムダなく養分を取り込む事が出来ちゃうのよ。だから……サッサとアタシに喰われちゃいな!」  その悪魔のような人非ざる姿に、恐怖におののくマリーベル達。親子を嘲笑うように老人から飛び出した触手の一部が、マリーベルの腕を取り強引に宙に持ち上げた。  あれよあれよと瞬く間に腕を引っ張られ宙吊りになるマリーベル。彼女がウンウンと苦しみだすと……お腹辺りから、うすらぼんやりと魔法陣が現れた。 「こんなエゲツないモノを隠しておいて平和がどうのってよく言うわ。祝災の紋以外に、まだこんな反則級の魔法を持ってるなんてさ……お腹の中の子の分まで、美味しく戴いちゃうわよぉ」  老人より迫り出した人外の大きな口は、マリーベルを今すぐにでも喰らおうと更に大きく開ける。マリーベルの顔が恐怖で引きつる中……徐々にマリーベルに近付く大きな口。 「ゴメンなさい。みんな……」  マリーベルは、我が身の安全を諦め、抱える娘と共に瞳を閉じ死を覚悟する。老人の持つ人外の牙が、マリーベルを今にも捉えようとしたその時……一枚の小さなメダルが上からゆっくりと落ちてきた。 「ん?……何だ?」  老人の注意が一瞬逸れた瞬間――メダルが力強く光を放つ。  魔法に彩られた怪しい光が老人の視覚を惑わせる中、光の中から剣を構えたスピカが勢いよく飛び出した。 やあああ―――――――――!!!  勢いのままに、スピカは両手に握りしめた剣に力を込めて全力で振り下ろした。完全に不意を突かれた老人は、その刃を額にまともに受けた。 「ギャアア―――!!」  パーンと光が弾けたと同時に、ガキンと鈍い金属音が寒風吹き荒む室内に響く。  スピカの全身全霊の剣戟をまともに受けた老人は、もんどり打つ様にヨロヨロと体を揺らす。ああ……おお……と、頭を抱え悶え苦しむ老人。この一撃のおかげで、マリーベルとカンナベルは、老人の拘束から無事に解放された。 「こんな……こんな、小さな幼子なのに……何て馬鹿力なの? 祝災の紋は……」  黒ずくめの老人は、持ち前の魔力を駆使して全力でダメージの回復に専念するも、スピカから放たれた一撃は予想以上の破壊力。傷口は割れかけのガラスのように、亀裂がピキピキと次第に大きくなっていく。  怯む老人に対峙するスピカの両手には、老人に打ち付けた時に受けた痺れが未だに残っていた。これ以上、戦闘が続くとヤバいかも……と、一瞬頭を過ったが、スピカは舐められまいと懸命に勇気を振り絞り、眼前の老人を睨みつけた。 「これ以上、僕から家族を奪うって言うんだったら……お前を、絶対に許さない! この世界が、お前にとってどれだけのものであろうとも、必ず……必ず、僕が探し出して、お前をやっつけてやる!!」  悔しさと怖さが相まって、スピカの涙が止めどなく溢れる。膝もガクガクと悲鳴を上げる。幼いながらも決死の覚悟にも似た少年の意志に、黒ずくめの老人は、張り巡らせた触手を一気に引っ込め、再び人の形態に戻り、甲斐甲斐しく会釈をした。 「フフフ……面白い。なら、その言葉……覚えておいてあげるわ」  老人はスピカを挑発するように笑った後、突然フウっと息を吹きかけた。すると……猛烈なブリザードが部屋いっぱいに再び巻き起こる。 「ま……待て!」  スピカが老人に詰め寄ろうとした瞬間、取り囲むように吹雪がブワッと舞い上がる。部屋の中にいる筈なのに、何処を見ても周りが全く見えない……今度は、どんな手で襲い掛かってくるんだ? それよりも、母さんや妹達は無事なんだろうか……と、動揺と思案が交錯している間に、吹雪は徐々にその力を弱め、穏やかに晴れていき……やがて、何事も無かった様に老人共々消え去っていった。 「勝った……のか?」  スピカは安心したのか、緊張の糸が切れたのか、膝から崩れるように座り込んだ。  さっきまでの緊張の糸が切れたせいか、全身の疲れが今になってどっと溢れ出てくる。フウ……と、スピカが静寂を取り戻した我が家を見渡してみると……父、母、幼い妹達が倒れ込んでいる。全員息があるようだが、すぐにでも動いたりする事はどうやら無理っぽいようだ。 「遅くなって、ゴメンね……」  ようやく、スピカは自分が戦った事の実感が湧いてきた。人生で初めて刃のついた剣を振い、相手にその刃を打ち込み、初めて相手を斬りつけた感覚が未だに掌に残る……ここで起こった事は、まじないや御伽話などでは無く、間違いなく現実に起こった事なのであった。  スピカが呆然と時を過ごしていると……外からざわざわと大人達のただならぬ声が聞こえて来た。 「……時間のようだねぇ」  集落の離れにある石造りの祭壇では、サビ猫のサビーが体の風化が進むリリーベルをじっと見ていた。  体が徐々に色味がなくなる中……心配そうな視線を落とす老猫とは対象的に、子ネズミの面持ちは何処か晴れやかだった。 「残り二枚の魔法のメダルを、メダルの中にスピカを一時的に封じ込め、それを転送に使うとは恐れ入ったよ……まさか、そんな使い方をするなんてね」 「いくら魔力が強くなったからって、使える魔法は2回しかなかったし……手っ取り早く彼を現場に連れて行くんだったら、コレが一番だと思ったんだもん」  「ま、コレでこの集落も平和になるだろうね……本当、ありがとうね」  深々と頭を垂れるサビーに、リリーベルは胸が一杯になる。このトラブルを解決したという事は、この世界とのお別れを意味しているからだった。かつて大好きだった老猫との二度目の今生の別れとなると……なかなか言葉が出て来ない。 「じゃあ、またね……」  涙を見せながら、子ネズミリリーは風に吹かれて消え去っていった。 「……また、未来でね」  塵となった小ネズミを見送るサビーの目には、一抹の寂しさが溢れ出ていた。  石の祭壇のある集落の離れでは、眠り続けていたリリーベルがようやく目を覚ました。  傍らに佇んでいた祖母のサクラベルに試練の経緯を話し、事の顛末を尋ねると……あの結末からは、想像も出来ない結果が巻き起こっていた。  あの後……凍傷によるマリーベルの命の危険が訪れ、母子の命を助ける為、魔力が暴走していたお腹の中の子……リリーベルの魔力を止むなく封印せざるを得なかった事。半壊した実家に一人ポツンと立ち尽くしていたスピカは、あの現場を集落の人々に見つかり、親に手を掛けた卑劣感として非ぬ誤解を掛けられたが、最後までそれを解くことが出来ず、結局集落を追い出されてしまった事。兄の無実を最後まで訴え続けたローゼンベルは、兄が追放されたその日から自室に籠もり、三日三晩叫び泣き続け、そして……家族以外の人々に心を閉ざしてしまった事と……明るい未来の展望を期待したリリーベルにとって、現実は残酷な結果になっていたのであった。 「コレが……現実だって言うの? こうなる運命だったって事なの? これじゃあ……これじゃあ、あまりにも悲しいよ。誰も、救えないよ……」  リリーベルの頬に、スッと涙が伝う。 「どういう形であれ、過去を変えることは出来ん。都合が悪いからって言って、無かった事にするなんて、誰にも出来んのじゃ……」  悲しさと絶望感が相まって、リリーベルの瞳からポロポロと涙が溢れ出てくる。 「じゃあ……ボクらはどうすれば良いの? これ以上、悲しい出来事を起こさない為にも、何をすれば――」 「今を変えれば良いんじゃ。一つ一つの力は小さいかも知れんが……やる事によって、小さいながらも現実が変わっていく筈。そうすれば、未来は必ず変わっていく筈じゃからな」  愕然とする孫娘に、サクラベルは慰めるようにボソッと呟いた。 「今を変える……か」  祖母の言葉を受け、リリーベルは涙を拭った。母のお腹の中で聴いた声の主、兄の弱々しい声が今も頭から離れない。こんなの間違ってる! だから!!……と、自身を取り囲んだ悲しい過去からの決別と、明るい未来への覚悟を意味していた。    「まずは兄さんを探して、ココに連れて帰らなきゃ!……じゃないと、ボクらの時間は絶対に進まない!!」   リリーベルは、祖母のサクラベル共々離れを後にした。新たな決意を胸に抱いて……。 (第九話・完)  
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加